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もぐらたたき

今やっているような障害児者の支援をはじめることになったきっかけのひとつは,障害者施設(入所部)に勤める卒業生からの相談でした。

成人の知的障害者の方について,毎回,個別支援計画を立てるのに,対象者さんの日常生活に関する評価をして,支援課題を探って,支援目標を掲げて,支援計画を立てて,その支援状況と成果をまた評価して…ということを繰り返すのですが,40代,50代の重度知的障害をもった方ともなると,このような個別支援計画もルーチン化・マンネリ化していて,本当にどれだけ改善できるのかもわからないし…とのことでした。

そこで,認知的な側面のどこかひとつでもいいので,何か具体的な目標を掲げて,きちんとした指標を取ることで,重度の知的障害者の成人も認知機能の改善が可能であることを示そうじゃないかと,ご施設に通いながら卒業生といっしょに研究をはじめました。

そのとき,施設の職員の方たちに認知機能を測る課題としてどういうものがあればいいかをアンケートして,出てきたのが…もぐらたたき課題。

今年,高齢者施設で認知症高齢者の方たちの認知機能の改善に関するアクションリサーチをしようと計画していた卒論生の研究が新型コロナ感染症の影響でできなくなったのですが,ちょうどその計画を立てていたご施設でも,もぐらたたきだったら認知症が進行した方でもできるよね…という話になっていました。

そこで,今回,以前から作っていたもぐらたたき課題を作り変えてみました。遊んでいただけたら幸いです。

いろいろな難易度設定が可能なので,幅広い対象者が楽しめて,しかも,遊んだ結果がデータとしてCSVファイルで残るので,いろいろな条件でそれを比較分析することで,認知機能のアセスメントができるようにとつくっています(どのような条件間でどのような分析を行えば,脳のどのような認知機能を評価できるかという点を,これから卒論生との研究では探っていく予定です)。

重症児も,視線が使えるようでしたら,視線(Tobii Gaming EyeTracker 4Cなど)で遊べるようにつくっていますので,お役に立つようであればお使いいただければ幸いです。

もぐらたたきゲーム ver.3(MogGame03)視線対応版

 

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笑顔はとっておこう

コロナ禍の中,「若者=感染源」というイメージが広まってしまい,大学もほとんどの授業を遠隔で行っています。テレビに出てくるような夜の街に遊びに行く若者なんて私の周りには皆無なのに…。

ヒーヒー言いながら慣れない遠隔授業をする中,どうしても後回しになっていたのが「ゼミ」。

うちの学科では3年次から正式にゼミに配属となるのだけれども,吉田ゼミの学生は,障害児の発達支援や高齢者支援など,地域のいろいろなところでの活動に期待して集まった学生たち。今の3年生は,昨年12月にすでにゼミ希望の意思を表明していたので,早速,いろんなところに一緒に出掛けていたのに,正式にゼミ配属となった4月以降は,コロナ禍で学外でのゼミ活動は一切なくなってしまいました。

遠隔でやってはいたけど,やっぱり一度ゼミで集まろうということになって,集中講義で開いた待望のゼミ。実験室は狭くて密になるので,場所は10号館4階のロビーを借りた。

今年は,キャンパス内で学生が勉強をする姿を見ることがさっぱりなくなったのだけど,こうやって学生たちが発表したり,意見を言い合う姿がみられるのは,やっぱりいいですね。可動式のイスやホワイトボードを用意していただいた大学事務のみなさんに感謝です。

 

今年,もうひとつ中止が続いていたのが,高校生を対象とした「オープンキャンパス」。やっと先週末から,小規模に始まった。

比治山大学 社会臨床心理学科のオープンキャンパスといえば,ちょっとした学会の機器展示コーナーよりも派手にやっている心理実験体験コーナーが人気なのですが,それをやっているのがうちのゼミ。毎年,県内外の障害児向けの機器展示会などで研究展示をしているので,子どもがよろこぶ(≒高校生もよろこぶ)仕掛けを作るのは私得意なのですよ(心理実験のスキルを応用して)。

でも,今年は,そんな体験コーナーは三密回避でできないらしい。

そこで,ゼミの発表会後に,学科やゼミのいいところを紹介するものを何か映像作品で作らないかと呼び掛けて,ああでもない,こうでもないといいながら,できたのが下のビデオ。

実験をやるのが吉田ゼミなのだけど,なぜか箱庭を作ってますわ (^^;)。実験って,単に映像にしただけではわかりにくいものね。

 

オープンキャンパスに来てくれた高校生に向けて,10人のゼミ生による顔を見せない「自己紹介」です。

コロナ禍で,お互いが対面することもままならない生活が続く今年の私たちですが,来年は,笑顔で,若者らしく,大学生らしく,一緒にいろんな活動ができたらいいですね。そんな気持ちをこめた。

吉田ゼミの取り柄のゼミ活動ができない今年度,不自由をさせているけど,できることを探してやろう!と呼びかけたら,明るく反応して,みんなで楽しみながら一緒にこんなものを作ってくれるゼミ生たちに,こちらもなにか明るい希望を見出した気持ちになっているこの頃です。