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仮現運動

2つの光点が点滅しているだけなのに,1つの光点が動いているように見える「仮現運動」という現象があります。

「知覚・認知心理学」という自分が担当している授業では,いろいろなデモ用のプログラムを自作して使っているのですが,昔作ったプログラムなので,手軽にどんなマシンでも動かせるというものではありません。そこで,UnityのWebGLを使えばお手軽に体験してもらえないかなと思って,お盆休みにテストプログラムを作ってみました。

キーボードが必要なのでPC用のページなのですが(キーボードがあればiPadでも動きました),下のページにアクセスして「2 points apparent motion」を選んでみてください。仮現運動のディスプレイが表示されて,矢印キーで光点の刺激間間隔時間(inter stimulus interval, ISI)や露出時間(duration),光点間の距離(distance),光点の大きさ(size)などを変更しながら,運動の見えの変化を体験することができます(キーは1秒長押しするとリピートします。また,距離等は画面の横幅を1000としたときの相対値です)。

【仮現運動デモ】https://maruhi.heteml.net/webprog/AM01_web/

ごく簡単にですが,刺激の露出時間,ISI,空間距離,刺激強度が仮現運動の知覚に及ぼす影響を定式化した「コルテの法則」(Korte’s Law; Korte, 1915)を体験することができる…かな?

テストしてみたところ,Windowsでは画面描画のタイミングなどもバッチリとれているようですが,iPadでは同じく60 Hzで動いているのに表示のタイミングがずれることがあるようです。

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2022年度前半…

忙しくしていたら,なんと今年度ももう折り返し地点に来てしまいました。
新型コロナも相変わらず私たちの社会に居座っていますが,前期の授業はすべて対面で支障もなく実施することができ,ようやく夏休みに逃げ込んでほっとしているところです。
みなさんの周りはいかがでしょうか。

3年目の今年,コロナの脅威は最初の2年間よりさらに身近になってきたけど,その脅威に対して押さえるべきポイントはある程度わかってきたように思います。以前からゼミで関わっていた施設での活動はまだしばらくできそうにないですが,とりあえず地域の皆様とご一緒する機会がいくつか戻ってきました。

下は,5月に開催された東区の牛田公民館まつりに,地元の牛田新町民児協のみなさんと一緒にゲームコーナーを開いた様子です。私のゼミでは,いろいろなセンサ技術を応用したゲーム的な課題を作って,人の認知機能の評価や訓練をしようというような研究をやっていますので,ゲームを使って子どもたちを喜ばせるのは得意技。昔はこんなのを毎月どこかでやっていました。コロナ前からゼミ生の顔ぶれは変わったけれども,変わらない吉田ゼミです。

ちなみに,視線センサを使えば,赤ちゃんでもゲームをしたり,赤ちゃんがどのように世界を見ているのかを大人が一緒に共有することができるようになります。そこで,地元の子育てサロンにも参加するようになりました。

一方,下は東区戸坂地区の地域包括支援センターに誘われて参加するようになったお年寄りの集まりです。
ここでやっているのは…スマホ教室!
田舎に行くと,足腰が弱くなってきたお年寄りが電動のシニアカーでお買い物に出かけたりお散歩されている様子が見られます。テクノロジーを使った機能代替ですね。同様に,歳をとるとどうしても認知機能が低下してきます。そのようなとき,電子デバイスによる補助ができないでしょうか。でも,認知機能が低下してきてからスマホの使い方を覚えるのは大変。だから,早いうちから使えるようになっておくのがいいのは間違いありません。そこで,みんなでお年寄りに便利なスマホの使い方を考えながら実践しよう。
お年寄りの知的武装を,地域の中で若者が一緒になって協力して行う。私はこの活動に大きな可能性を感じています。

学生たちとやっている「ひよこ」というボランティアサークルでも,自分たちにできることをやろうと,地域のごみ拾いを企画して行いました。自分にできることを,自分で探して,自らの責任において自主的にやる…ボランティアの基本だね。

地域に出ていくとそこにはいろんな&リアルな課題があります。また,コロナ禍によって,人々をつないでいた絆も大きなダメージを受け,地域が抱える課題も変容してきています。どうすればこの現状を打開できるか。大学も地域の一員として試されているように感じます。