give & take

ドタバタ(ジタバタか…)していたら2022年ももう終わりとなってしまいました。振り返ってみると,今年はとにかく忙しかったなぁ~と思います。でも,それはどちらかと言えばポジティブな意味で…。

キャンパスには普通に学生たちが戻ってきて,授業も対面で行えるようになりました。実験室もフル稼働してますが,これによって感染が生じたようなケースは常時実験室にいる私から見ても見当たらない。きちんと感染対策をしておけば,大ごとにはならずになんとか活動は続けられそうです。もう止まらなくていいというだけで,今年はとてもストレスフリー。

それは地域活動も同じでした。
たとえば,東区の戸坂地域包括支援センターに誘われてはじめたご高齢者のスマホ教室,第7波のピーク時や現在進行中の第8波の中で「さすがにもうヤバいでしょ?」と尋ねても,町内会長さんからは「大丈夫ですよ~。どうぞ学生さん連れておいでください~。」と即答の返信…迷いがないわ~ (^^;)。
そんなこんなで,一度も休まず参加を続けてきました。来年にはさらに新しいことにもチャレンジしようと計画しています。お年寄りと若者が一緒になってこんなこともできるよと,地域の新たな可能性を示したい。

 


 

別なところでは,今月,この2年間なかなか開催できていなかった子ども食堂「らくらく広場」も活動再開!
みんなで飲食する食堂部分は控えて,子どもたちの勉強のサポートと,クリスマス会を兼ねたビンゴ大会を開催しました。

会場となったのは,最初にらくらく広場を始めたきつつき共同作業所のキッチン&ミニマート「楽らく」。

子どもたちが集まってきたら,まずは学校の宿題をすませます。「一緒に勉強したので今日は宿題が楽しかった~」と子どもたち。

勉強が終わったら,みんなで折り紙に願い事を書いてクリスマスツリーを作りました。

その後はビンゴ大会で盛り上がりました (^^)。

ここに集まったのは子どもだけじゃありません。地域のご高齢者や,障がいをもつ仲間たち,そのサポーターである社福法人の職員さん,こんな集まりをやりたいと考えられている他の地域の方たち,行政の関係者など…。SDGsなんて高尚な概念を持ち出さなくても,地域はそもそも多様性(ダイバーシティ)をもつ。それに気づかずに日常を過ごしている私たちは,それを見る「目」(つまり「心」)をもたないだけなんだろう。「誰一人取り残されない社会」の原点は,まさにこんな身近なところに現実としてあって,それを実現し守るのは私たちひとりひとりなのです。そしてそれはできるかもよ!というのを皆で実感し共有できるのが,このような場所…かけがえのない経験です…心から感謝!

 


 

大学がある牛田新町町内会との繋がりも着々と戻って来ています。
今月も町内会のみなさんと一緒に牛田新町小学校1年生の昔遊びの授業に参加させていただきました。吉田ゼミ4年のけん玉チーム?と,こちらも1年生の大学生ひよこ(ボランティア部)です。

技の披露中です↓…みんなドキドキ!…だって子どもたちの視線が熱すぎる (^^;)

その後,学生たちが分担して子どもたちのお相手をします。日本では心理学というと「カウンセリング」以外を思いつかない人が多いように思うけど,共通のテーマをもつと基本的に人は(つまり心は)繋がれる。だから,けん玉うまくなりたいと子どもが思うなら,そこに繋がりの糸口がある。これを使わない手はない。「やればできる」こと,「あきらめない」こと,この世界では「努力することは評価される」ことを伝えたい。

 


 

私がやっている活動はよく「ボランティア」に例えられるのですが,私は必ずしも無償でやっているつもりはなくて,大学が学内で提供する教育サービスではできないことが得られるから,その利を求めて外に出ている。だから実は下心満々…give & take! なのです。

与えるだけだと,どうしても持続的な取り組みにはならない。得るものがあるからこそ続けられる。

特に,現在のコロナ禍の中,対人交流を要素としてもつイベントをリスクなしで行うことはできません。だからこそ,イベントを通してお互いにどのようなメリットが期待されて,実際にそれがどれだけ得られたのかをエビデンスとして示せるよう意識しているし,得られる利益が予想されるリスクを上回るから迷わずにやれるんですね。利益といってもお金じゃないけど…。

お金じゃない価値をどうやったらまわりに説得できるのか,いつも悩むところです…お金でしか物事の価値が表せないし,わかってもらえないのが今の社会なのかなと思う…ちょっと残念…。得られるものが何であるかは参加した学生たちを見ればわかる。ほら,これが得られた成果のエビデンスです!…って,学生をポイっと見せられたらいいなぁ~…とつくづく思う。

 


 

give & takeについて,ひとつ質問…「とても大切なものがあったとします。あなたはそれを人にあげますか?

お金やモノなら,人にあげたら減っちゃうし,なくなっちゃいます。

でも,この世の中には,人にあげても減らないものがある。「愛情」や「感謝」はそんなもののひとつ。私たちの仕事である「教育」だってそうだ。

人にあげても減らないし,むしろあげるほど増えていく…もらった方も,また人にあげたくなる…もらったらうれしいのに,あげた方もうれしい…。

このような時代だからこそ,私たちはそんな価値が見える目を(心を)もたなければならないように思います。

そしてそんな価値がgive & takeによって人々の間を巡れば,社会は変わるのではないでしょうか。