9: 記憶の特性(1)

(公開日:2020年6月17日)

前回から,記憶についてお話をしていますが,今日の授業から,2回にわたって,記憶に関するいろいろな現象や研究を紹介しながら,記憶ってどんな特性をもつものかについて考えてみたいと思います。

 

系列位置曲線

たくさんの人が自己紹介をするところを想像してみてください。何番目に自己紹介をするかによって,相手の記憶に残るかどうかが左右されるような気がしませんか? (自己紹介ではないのですが)実際にそういう実験を行った結果があります。

グランツァーとカニッツ(Glanzer & Cunitz, 1966)は,実験参加者に2秒間隔で1秒ずつ15個の単語リストを提示して記憶させました。その後,参加者は覚えている単語を全部ノートに書き出しました(自由再生課題ですね)。ある条件では,参加者は,最後の単語が提示された直後に 覚えている単語を書き出すよう指示されましたが,別の条件では,10秒間あるいは30秒間,画面に提示された数字から数を数えさせた後に単語を書き出させました。その結果,正しく書き出された単語の再生率は,直後再生であれば U字型のカーブを描くことがわかりました(下の図の青いラインを見てください)。つまり,最初の方で見た単語と最後の方で見た単語は記憶に残りやすいのです。最初の項目が記憶に残りやすい効果を「初頭効果」,最後の項目が記憶に残りやすい効果を「新近効果」(終末効果)と言います。

なぜこのような現象が起きるのでしょうか。グランツァーたちの論文のタイトルは「自由再生における2つの貯蔵メカニズム」です。この現象には,私たちがもっている2つの記憶システム(短期記憶長期記憶)がかかわっているのです。

グランツァーたちは,先ほどの直後再生とは違って遅延再生の条件も設けました。遅延再生とは,参加者に項目を記憶してもらった後,しばらく時間をおいてから再生してもらう条件です。

彼らの実験では,15個の単語の 最後の単語が提示された後,シャープの記号(#)が提示された場合はすぐに再生を開始するのですが,数字が提示された場合は,参加者はその数字から数を数えなければいけませんでした。実験者は,参加者が10秒または30秒,数を数えた後に,再生を求めました。その結果が,上の図のオレンジと灰色で表されているグラフです。項目を記憶した後一定時間をおいて,その間に数を数えるという作業をさせると,親近効果に相当する部分がなくなっています

私たちの短期記憶ワーキングメモリとも呼ばれて心的作業を行う場所でもあります。ですから,私たちが数を数えるというような 心の中での作業を行うと,作業によってトレードオフが生じて 記憶のためのスペースが少なくなりますので,短期記憶の中の情報は失われてしまいやすいのです。つまり,直後再生で見られた親近効果は,短期記憶の中に情報が留まっていたことを反映していると考えられるわけです。

これに対して,初頭効果は, 情報が長期記憶に転送しやすかったからではないかと考えられます。短期記憶には7±2という容量の限界がありますが,最初の項目を覚えるときには,空っぽな状態なので,情報を留めておきやすいと考えられます。また,短期記憶の中で情報のリハーサル(繰り返し)が行われることで,その情報を長期記憶に転送しやすくなるのですが,最初の項目についてはリハーサルを行うための十分な時間もあったからだと考えられます。 

皆さんが就職活動などで自己紹介をする場合には,できれば最初に自己紹介をするのが,相手に自分を覚えてもらうのには都合がいいと言えるわけですね。

 

2つのリハーサル

維持リハーサル

リハーサルとは,一般的には,覚えた情報を心の中で何度も繰り返してつぶやくことを指します。正確に言えば,記憶した対象をそのまま反復して内的に発音することを,「維持リハーサル」と言います。維持リハーサルは,記憶した情報を短期記憶の中に保持しておく役割を持っていますが,その繰り返しが失われると,情報も失われてしまいます。

短期記憶の保持時間を調べる実験では,参加者が維持リハーサルを繰り返している限り,情報を保持しておくことができるので,通常は,リハーサルを妨害するために,特定の数(例えば309など)から 3の引き算を続けさせるような作業を行わせます。要するに,心的作業を行わせることによって,維持リハーサルをさせないわけです。すると,下の図のように短期記憶の中の情報は急速に失われることが分かります。短期記憶の中の情報は十数秒で失われるといわれる根拠は,このような実験によって得られています。なお,このグラフのような曲線を「忘却曲線」と言いますので覚えておきましょう。また,リハーサルを妨害するために3の引き算などを行わせる課題は「ブラウン-ピーターソン課題」と呼ばれて有名です。

短期記憶の忘却曲線(Peterson & Peterson, 1959)

 

精緻化リハーサル

維持リハーサルとは違う,もうひとつのリハーサルが知られています。それは「精緻化リハーサル」と呼ばれる作業で,これによって短期記憶の中の情報は長期記憶に転送されると考えられています。精緻化リハーサルには,記憶情報を より大きなチャンク(情報のかたまり)に構成したり,関連するイメージをつくり上げたり,互いに意味的に関連づけて文をつくり上げたり,すでにもっている知識の枠組みに組み入れたりするなど,「体制化」と呼ばれる まとまりをつくる操作からなります(知覚においても体制化は大事な概念でしたが,記憶においてもこれは重要な概念です)。

例えば,異なるカテゴリー(動物,野菜,人の名前,職業)などから15個ずつ単語を選んで,それを混ぜてランダムな順番に参加者に提示して自由再生を求めると,でたらめな順番で提示されたのに,再生時には,カテゴリーごとにまとめて再生されます。これは,私たちの記憶が カテゴリーという意味のまとまりをもっているからだと考えられています。

 

さて,それでは,ここで簡単な実験をしてみましょう。

メモ用紙を取り出して,次の音声ファイルを再生して,読み上げられる9つの子音アルファベットを覚えて,「書き出してください」という指示があったら,どこかに書き出してみてください。

 

【実験の音声ファイルを再生する】

 

 

 

短期記憶の容量は7±2と言われるので,9文字の子音アルファベットはギリギリ覚えられるかどうかというところだったと思います。だから,すべてを書き出せなかった人が多かったのではないでしょうか。

 

さきほど提示された単語は,「W R D S T Y L C K」の9文字でした。

では,この9文字を3つずつに分けて 意味づけを行ったらどうなるでしょうか。最初の「WRD」は母音アルファベットを挿入して「RD」(単語)という言葉にしましょう。次の「STY」は「ST」(留まる)。最後の「LCK」は「CK」(幸運)とします。「ワード」と「ステイ」と「ラック」という3つの単語なら覚えられそうですよね。あるいはさらにまとまりを作って,「単語が記憶に留まってくれてラッキーだった」(Word stays…Lucky!!)とでもすれば,もう忘れない記憶になりませんか? これは「チャンキング」と呼ばれる 記憶をまとめることで体制化して覚えやすくする方法です。

 

精緻化リハーサルにはさまざまな方法があるのですが,「記憶術」と呼ばれる暗記術は,このような精緻化リハーサルを上手に使って長期記憶を形成しやすくしているのです。

下にあるビデオは,30個の単語を覚える自由再生実験に私がチャレンジしてみたものです。単語は以下にあげた30個ですが,これを覚えた後,何個再生できるでしょうか? どうぞ,一緒に やってみてください。短期記憶だけに頼ると5個くらいが限界なので,どれだけ情報を体制化できるかが重要になります。私が使った方法は,このページの最後でお知らせします。

 

 

 

処理水準の効果

記憶というと,試験勉強などで一生懸命覚えようとしているのに覚えられなくて苦労した経験は,誰もがもつところでしょう。長期記憶を形成するのがこんなに難しい一方で,こちらとしては忘れたいのに忘れられない記憶もあったりします。どのようなものが長期記憶として残りやすいのでしょうか?

まず,印象が強い出来事は1回だけで強く記憶に残ることが知られています。例えば,2011年の東日本大震災の津波被害のシーンなどは,多くの人々の目に(脳に)焼き付けられた記憶を残しました。このように,写真のフラッシュを焚いた瞬間のように鮮明な記憶を「フラッシュバルブ記憶」と呼びます。逆に,印象は弱くても,何度も反復経験したことは記憶に残りやすいことが知られています。情動的な出来事も記憶に留まりやすいことがわかっています。脳の側頭葉の内側部にある大脳辺縁系と呼ばれる古い皮質が記憶の形成に極めて重要な役割をもっていることが知られているのですが,その部分は情動の回路でもあるのです。だから,情動的な体験は,記憶に残りやすいわけですね。

認知的処理について言えば,「処理水準」の効果が有名で,深い処理を行ったものほど,記憶に残りやすいことが知られています(Craik & Lockhart, 1972)。処理水準の効果を調べる記憶実験では,参加者は,同じ刺激セットに対して異なるタイプの課題が与えられます。実験では,記憶の実験だということは参加者には知らされておらず,課題を行った後に,いきなり再生テストが課せられます。このような課題を「偶発学習」課題と言い,記憶実験で一般に行われる意図的学習とは異なり,自然に形成される記憶を調べるのにしばしば使われます。いろいろな実験が行われた結果,特定の文字が含まれているかどうかとか,大文字で書かれているか小文字で書かれているかというような文字レベルの処理を行った場合はほとんど記憶に残らないのに対して,他の単語と同じようなリズムの 韻を踏んだ単語かという音韻レベルの処理を行わせると少しだけ記憶に残りやすくなります。さらに,魚かどうかとか,鳥かどうかというようなカテゴリーレベルの処理や,「彼は道で○○に会った」の「○○」にあてはまるかどうかというような意味レベルの処理を行うと,大幅に記憶に残りやすくなります。他にも,自分がそれを好きかどうかなど自己関連の処理感情を使った処理も効果があることがわかっています。

 

忘却の原因

記憶が時間の経過とともに失われていく過程(忘却)に 最初に目を向けたのは19世紀のドイツの心理学者 エビングハウスで,彼は世界で初めて忘却曲線を示すとともに,記憶という人間の内面にある高次精神過程が実験の対象となることを示しました。

では,なぜ忘却は起きるのでしょうか。その原因について紹介します。

減衰

例えば,砂の上に書いた文字や絵が時間が経つとだんだんと薄れていくように,記憶も一種の痕跡(記憶痕跡, エングラム)であり,それが薄れていくために忘却が生じるという考え方です。記憶の「減衰説」と呼ばれます。

干渉

記憶内の情報は,他のさまざまな情報にもさらされるため,それらが妨害し合って忘却が生じるという考え方です。記憶の「干渉説」と呼ばれます。干渉には,すでに記憶している古い情報が新しい情報の記憶を妨害する「順行干渉」と,新たに記銘する情報が,すでに記憶内にある情報に対して妨害的に働く「逆行干渉」があります。

検索の失敗

自分が体験した過去の出来事に関する記憶(エピソード記憶)は「自伝的記憶」と呼ばれることもあるのですが,これらの記憶は思い出せないこともしばしばです。しかし,そのような場合でも,何かの手がかりでふっと思い出すことが多いので,思い出せないのは,記憶がなくなっているわけではなく,それをうまく検索できないためだという場合も多いと考えられています。

 

分散効果

テスト前に一夜漬けで勉強しても,なかなか記憶に残りません。普段から勉強しておけば…と後悔したことはだれでもあるのですが,まとめて勉強するのと,小分けにして勉強するのとでは,実際に記憶に残る程度に違いはあるのでしょうか?

マディガン(Madigan, 1969)は,48個の単語を1.5秒間隔で提示する実験の中で,同じ項目を1度だけしか提示しないものと,2度提示するもので記憶成績に違いがみられるかを調べました。また,2度提示するときに,同じ項目が連続して提示される場合と,間隔をおいて提示されるときで記憶成績に違いがみられるかを調べました。

その結果は,下の図のようになりました。横軸に「1P」と書かれているのが1度だけ提示された項目の記憶成績です。0~40は2度提示された項目で,数字は,1度目と2度目がどれだけ離れていたかを表しています。この結果から言えることは,(勉強に置き換えて言えば)1回勉強するよりも2回勉強する方が記憶に残りやすいけれども,連続して2回勉強してもさほど効果はなく,1回目と2回目の間に他の勉強をたくさんはさむ方が勉強の効率はあがるということになります。この効果は,記憶の「分散効果」と呼ばれます(また,間隔が広い方が記憶成績がさらに良くなる側面を指して「ラグ効果」と呼ばれることもあります)。

学習の基本は「繰り返し」なのですが,繰り返しの効果は単なる反復以上の意味があるようです。前にもお話ししましたが,記憶は覚えることで作られるのですが,それはまだ安定した記憶にはなっていません。それを安定した強い記憶にするには,それを何度も反復して「使う」のが一番です。のちの研究では,2回情報を提示するときに,間隔があいているときほど,2回目の情報提示のときに提示項目に対して注意が強く向くことがわかっています。つまり,間隔をおいて提示された情報に対して,「あ,これ,知ってる!」というような深い処理が行われていたので,このような分散効果やラグ効果が生じたわけですね。

 

30個の単語記憶の種明かし

上の方でやった実験で,私が30個の単語を全部覚えた方法を紹介しましょう (^^)。

まず,精緻化リハーサルのポイントを押さえておきます。

  • チャンキング…情報を(より上位の)まとまりに構成する
  • 意味づけ…無意味な情報には意味を与える
  • イメージ化…視覚的なイメージを連想する
  • 文脈の利用…他の関連情報や,すでにもつ知識・記憶との結びつきを利用する

これは,要するに,余計な処理や情報を加えるほど,記憶に残りやすい! ことを意味しています。

我々が試験勉強などで失敗する原因がここにあります。試験勉強では,つい最低限の情報を覚えようとしますので,どうしても情報がバラバラですから 丸暗記するしかなくなります。私たちの脳は,情報をいろいろな他の情報と関連づけることで記憶する仕組みになっているので,丸暗記した情報はすぐに失われてしまいます。

試しに,顔写真と名前という最低限の情報で,何人の新しい友達を覚えられるかやってみたら,すぐにそれがとても難しいことがわかります。それに対して,この人はこんな趣味があって,それなら自分と一緒だから友だちになれそうだね…通学にスクールバスを使っているそうだから,帰りには今度一緒に帰ろうって誘ってみよう…というように,無駄な情報をたくさんくっつけてみます。すると,記憶は苦労しなくても自然に作られていきます。

このような無駄を学習の中でもどれだけできるかが重要です。

 

さて,先の実験では,実は私はちょっとずるをしていて,事前に30個の単語を使って絵を描いておいたのです。下の図がそれです。

精緻化リハーサルが短期記憶の情報を長期記憶として覚えるのに重要な役割をもちますが,精緻化リハーサルをする以前に,まず維持リハーサルがちゃんとできないと情報はみるみる失われてしまいます。短期記憶は別名 ワーキングメモリと呼ばれるとお話ししましたが,ワーキングメモリの中で情報を維持するためのシステムには,音韻ループ視空間スケッチパッドの2つがあります。これらは別のシステムなので,一方に負荷がかかっていても,もう一方に干渉する程度は少ないことが知られています。そこで,(単語の記憶において音韻ループは重要なので)音韻ループに負担をかけないように,視空間的なイメージを形成することで,ワーキングメモリの仕事を分担させるのです。しかも,画像記憶は長期記憶としても壊れにくいことが知られています。だから,上の図のように3個ずつの単語で(ちょっと無理やりですが)イメージを作って,その中のひとつが思い浮かべば,イメージを手がかりにして他の2つの単語も思い出しやすいようにしておいたのです。

あとは,10個のイメージグループの最初の単語さえ思い出せれば,なんとかなりそうなので,まず,ロキ法(loci法,場所法)という記憶法を使って,最初の4つを覚えました。ロキ法とは,自分が良く知っている場所を思い浮かべて,そこに情報を貼り付けていく方法です。私は,生まれ育った実家の風景を思い浮かべて,庭から玄関に入っていく中で,玄関の前に子どものころ釣りで使っていた「しかけ」を置いて,玄関に「刀」を立てかけて,その刀は実はよく見れば「ゴボウ」で,上を見上げると青空に「トンビ」が飛んでいるというシーンを作りました。長期記憶の形成に重要な役割をもっていることがわかっている「海馬」という脳の器官は,場所の記憶が得意です。海馬は,大脳辺縁系といって,哺乳類に進化したころに我々が手に入れた神経系です。まあ,ネズミちゃんがもっている脳回路ですね。ネズミちゃんは,人間のように言葉を使って勉強することはありません。彼らが生きていく上で重要な情報は,エサのある場所を覚えること,捕食者がいる危険な場所を覚えることです。したがって,私たちの脳にある記憶の回路も場所の記憶が得意なのですよ。だから,例えば,釣り人は,一度大漁を経験したら,その釣り場に何度もかよってしまうのです。ふられた彼氏は,夏に彼女と一緒にいった浜辺にまたいってしまうのです。ポケモンGoのプレイヤーも,レアポケモンが現れた場所にいつの間にか足が向いてしまうのです。

このように,最初の4単語は,海馬がすでに強固な長期記憶として形成している実家の情報に連合させることでキープして,次の「よなか」と「おなか」は韻を踏んでいるので,音韻でひとまとめにします。そして最後の4単語は終わりころの十数秒で覚えたら,維持リハーサルをしながら頭に置いといて,再生がはじまったら,真っ先に書き出します。

このような感じでやったら,私たちの脳は,まあ30個ぐらいの単語は覚えられるのです。あとは,実際に自分の脳がもっている可能性を信じられるかどうかも重要です(疑ってかかっていると本気を出さないので絶対にできません)。私は,知覚・認知という(どちらかと言えば知覚よりの)低い心理機能を専門としていますが(自分を「低レベル心理学者」と自己紹介します ^^;),いろいろな脳機能を調べる実験を通して,人間というものはすごい能力を秘めた生き物だなといつも感心させられます。たぶん,みなさんたちも,自分がもっている能力に気づいていないところがたくさんあると思います。ぜひ大学の4年間でいろいろなことを学んで,いろいろなことにチャレンジして,自分の可能性を発見していっていただければと思います (^^)。

 

出席確認

 

引用文献

  • Craik, F. I. M., & Lockhart, R. S. 1972 Levels of processing: A framework for memory research. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 11, 671-684.
  • Craik, F. I. M. & Tulving, E. (1975). Depth of Processing and the Retention of Words in Episodic Memory. Journal of Experimental Psychology: General, 104, 268-294
  • Glanzer, M., & Cunitz, A. R. (1966). Two storage mechanisms in free recall. Journal of Verbal Learning & Verbal Behavior, 5, 351–360.
  • Madigan, S. A. (1969). Intraserial repetition and coding processes in free recall. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 8, 828 – 835.
  • Peterson, L. R., & Peterson, M. J. 1959 Short-term retention of individual verbal items. Journal of Experimental Psychology, 58, 193-198.