v1.001
書字や描画においては,手指を適切にコントロールしながらの協調運動が必要とされます。発達障害児の療育現場では,そのような書字・描画の問題をもつ子どもがしばしば見られます。また,筆圧のコントロールが難しい子どもの相談を受けることもしばしばです。このプログラムは,ペンによる描画に対応したWindowsタブレットPC(たとえば,Microsoft Surface)を使って,書字・描画動作時のデータを取得して,ペンの軌跡の分析や筆圧調整の分析ができるようにしたものです(ペン入力の座標と筆圧を記録します)。
また,このプログラムを鏡映描写と組み合わせると,ストループ課題と同様に,前頭葉機能のひとつである抑制機能(自動的に生じる反応を抑制・制御しながら正しい行動を生じさせる脳機能)の評価や訓練が可能になることが期待されます。
本プログラムは,科学研究費助成事業(基盤研究(C),課題番号19K03389「センサ技術を活用した障害児の認知機能評価・発達支援プログラムの開発」)の補助を受けて開発されました。また,プログラムの開発においては,私のゼミ生である眞野桂歌さん,髙原一岐くん,中村真人くんの協力を得ました(彼らの卒論研究「タブレットPCを用いた鏡映描写課題における運筆分析」のために一緒に開発テストを行いました)。ここに記して感謝します。
Windows 10(64ビット)において開発および動作確認(Windows 11でも問題ありません)。
このプログラムでは,プログラムフォルダ内に作成された「data」フォルダに自動作成されたデータファイル(「日付_時刻.csv」)を分析して,書字・描画行動の評価を行うことを目的としています。うちのゼミで使っているサンプルの分析用Excelファイル(分析template.xlsx)をプログラムフォルダに同梱していますので参考にしてください。
ここでは,分析用のExcelのサンプルファイルの使い方を説明します。
プログラムは,“WinTab_release”という名前のフォルダごとzip形式で圧縮されて1つのファイルになっています。ダウンロードした後に,必ずフォルダごとすべてのファイルを解凍してからお使いください。
WinTab のダウンロード…WinTab_release.zip